地球は白かった!
今後、私たちが住む地球の色は青色から白色に変わるかもしれません。
その理由は「宇宙ゴミ / Space Debris」の存在です。
宇宙ゴミとは?
上の画像を見ると、地球の周りに小さな白い虫が群がっているように見えます。
この小さな白い虫に見える正体は、宇宙開発のために打ち上げられたロケットや人工衛星です。
具体的にいうと
● 事故や故障により機能停止している人工衛星
● 打ち上げに使われたロケット
● 多段式ロケットの切り離しにより生じた機体
● 宇宙ゴミ同士の衝突で生まれた微細な宇宙ゴミ
● 宇宙飛行士が落とした工具
以上が「宇宙ゴミ / SpaceDebris」です。
上の画像のように地球が極端に白くなるわけではないとは思いますが、地球の軌道上にはゴミがあふれかえっており、世界中で宇宙の環境を破壊する「宇宙ゴミ」が今問題となっています。
宇宙ゴミは宇宙開発が進むにつれて増える!
宇宙開発が進むにつれて、宇宙ゴミは問題となります。
WikiPedia(※出典が不明確)によれば、1957年から2016年5月にかけての衛星・ロケットの打ち上げ累計個数は、7142個とされています。
順位 | 国・地域 | 個数 |
---|---|---|
1 | ロシア | 3488 |
2 | アメリカ | 2137 |
3 | 中国 | 244 |
4 | 日本 | 197 |
民間 | グローバルスター | 84 |
民間 | インサルテット | 81 |
共同 | 欧州宇宙研究機構 | 71 |
5 | フランス | 69 |
6 | ドイツ | 64 |
民間 | SES | 55 |
民間 | ユーセルサット | 49 |
7 | イギリス | 44 |
8 | カナダ | 42 |
9 | イタリア | 33 |
10 | スペイン | 20 |
テクノロジーの発展にともない、今後も打ち上げ回数は指数関数的な勢いで増えていくでしょう。
1957年に世界初の人工衛星スプートニク1号は打ち上げられました。
その年に衛星の打ち上げが試みられたのは合計3回だけでしたが、その後、数十年間で数十ヶ国が何千基もの衛星を 軌道に乗せてきました。
その数はこれからも増えていくでしょう。
宇宙ゴミの危険性
地球が抱え込むさまざまな問題を解決するためには、宇宙開発は重要なことです。
しかし、宇宙開発が進むにつれて宇宙ゴミは増加していきます。
宇宙ゴミの危険性は、地球の周りに(軌道上に)宇宙ゴミが増加・氾濫したときに、地球から打ち上げられる人工衛星やロケットが宇宙ゴミと接触・衝突して墜落または故障することです。
実際の宇宙ゴミとの接触・衝突の事例
1981年
ソ連のコスモス1275号がなんらかの原因によって破壊されました。
コスモス1275号には爆発の原因となる構造がないため、破壊された原因として宇宙ゴミとの接触・衝突が考えられています。
この破壊によって、コスモス1275号は300個以上の宇宙ゴミを発生させたとされています。
1991年12月
ソ連のコスモス1934号とコスモス926号が衝突。
1996年7月
フランスの人工衛星スリーズ(Cerise)が宇宙ゴミと衝突。
2005年1月
1974年に打ち上げられたアメリカのロケット上段と、中国のロケットの破片が接触。
2006年3月
ロシアの静止衛星エクスプレスAM11が宇宙ゴミとの衝突によって機能停止。
2009年2月
ロシアのコスモス2251号と、イリジウム社が当時運用中だった通信衛星イリジウム33号とが衝突。
この衝突によって、コスモス2251号が1,267個、イリジウム33号が521個の宇宙ゴミを発生させたことが報告されています。
2013年1月
ロシアの小型衛星BLITSに破片が衝突。
衛星が使用不能になっている事が同年の3月8日に発表されました。
2013年5月
エクアドルの超小型衛星ペガソが、デブリクラウドと衝突して機能停止する。
こうした接触・衝突により、新しい宇宙ゴミが発生します。
また、人工衛星が破壊されるために、私たちが普段使うGPS機能(位置情報取得システム)が乱れる危険性もあります。
自動運転が普及した時代にGPS機能が乱れれば、交通機関はマヒするでしょう。
緊急車両の遅れや経済活動に与える悪影響など、映画『サマーウォーズ』で起きたできごとが、現実世界で再現されるかもしれません。
宇宙ゴミをなくす方法
こうしたできごとを避けるためにも、私たちは宇宙ゴミをなくす必要があります。
宇宙ゴミをなくす方法は、宇宙ゴミに電磁波を当てて、地球の引力を利用して、大気圏に落下させる方法です。
大気圏に突入した宇宙ゴミはその過程から燃え尽きて消滅します。
ただ、宇宙ゴミが燃え尽きない “不完全燃焼” の状態であると、隕石となり地球のどこかへ落下する可能性もあります。
最悪の事態を避けるためには各国が宇宙開発についての協議を重ねて、慎重な方法で宇宙ゴミをなくす必要があります。
現在は宇宙ゴミをなくすためのベンチャー企業がポツポツと日本を含む世界各地で発足しています。
ぜひともがんばってほしいです!
終わりに
宇宙のゴミは私たちの生活とかけ離れているため、想像しがたいと思います。
しかし、地球上の「ゴミ問題」であれば話は変わってくるのではないでしょうか。
地球上のゴミ問題により起こる被害は「環境汚染」と「健康被害」です。
最終処分場へ運び込まれる廃棄物(ゴミ)には、重金属やダイオキシン類などの有害物質を含むものもある。
このような有害性の高い廃棄物については特別管理産業廃棄物に区分され、周辺への安全性の確保から、特別な構造基準により設置がされている。
しかし、構造基準制定前の緩い構造基準で造られた処分場や、既設のミニ処分場・自社処分場(設置構造基準がない)から、有害物質が一般環境中に拡散する問題が各地で発生している。
また環境基準には設定されていない物質(樹脂の可塑剤(環境ホルモン)など)についても既設処分場から一般環境中へ拡散する問題が発生している。
最終処分場は、水源地に近い山間部に設定されている場合が多い。
このため飲用水や農業用水への汚染を恐れた住民により、既存最終処分場の改善や新設反対の運動が度々起きている。
最終処分場の確保は自治体にとっても大きな問題となっている。
適切な処理をする場合でも、ごみの発生に焼却や最終処分場での埋め立てが追い付かなかったり、ごみの搬入や収集・処理施設の新増設に地元側が反対したりする場合もある。
“ゴミ” は、海底にたまるプラスチックゴミ(海洋ゴミ)や核のゴミ(放射線廃棄物)も含まれます。
海に生息する魚が海洋ゴミをエサと勘違いして食べれば、魚は死んでいく、もしくは生き延びたとしても、ゴミを食べた魚を今度は人間が食べるわけですから、日を追うごとに被害は進行していくでしょう。
このように「ゴミ」は環境汚染はもちろんのこと、生物の健康に悪影響を与えます。
レイチェル・カーソンが自著『沈黙の春』で警鐘を鳴らしたように、負の連鎖が起きはじめています。
こうした「ゴミ問題」を解決するために、私は「禁欲」が有効だと考えています。
禁欲により、消費活動が抑えられて、ゴミを極力出さずにすみます。
つまり、禁欲は地球環境に貢献することができるのです。
倹約のパラドックス
禁欲の問題点として、よく「倹約のパラドックス」があげられます。
倹約のパラドックスとは、ひとりの人が裕福になるためには節約が有効ですが、全員が節約をすると消費活動がとどこおり、その結果として全体が不景気になってしまい、結局は不景気のために節約しても裕福になれないパラドックスのことをいいます。
全員が禁欲することで、消費活動(経済活動)に影響を与えて、不況に陥ってしまうのです。
これを踏まえて私が “禁欲が有効” といえる理由は、禁欲をすることで「ムダな物を選別する力がつき」「ムダな物が生産されなくなる」という点です。
倹約のパラドックスのウソ
私たちが生きる現代社会は地球上の「資源の有限性」と「環境制約」という問題に突き当たっています。
過去記事でもご紹介させていただきましたが、私たちが倹約をしなければ、モノの需要は高まります。
それに応じて、供給が高まり、私たちの物欲を満たすためにモノの生産が行われます。
モノが生産されることは、ある意味で、ゴミを生産することと同じです。
モノは私たちの物欲を満たしますが、地球の願望は満たしません。環境を破壊します。
環境が破壊されることは地球の危機であり生命の危機です。
生命の危機ですから経済活動どころに目を向けてはいられません。
つまり、倹約のパラドックスは短・中期的な視点では起こり得ることではありますが、長期的な視点では無意味なのです。
禁欲は企業がすること
禁欲は有効とはいえども、禁欲は個人の努力だけでは虚しい努力となります。
個人の努力はもちろん大切です。
しかし、その努力を企業に押しつけなければ、ゴミ問題はますますと深刻化するでしょう。
私たちが地球環境に良いことをしても、企業はその努力を不毛にします。
つながりこそが、私たちの武器です。
個人が団結して企業の生産活動に歯止めをかけるときがきています。
今、私たち個人を含めて、企業が禁欲をする必要があるのです。
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