人の目を気にするあまり挙動不審になることを視線恐怖というらしい。外出中、人の目を気にすること、また、自分の視線をどこに向ければいいのかを分からないので目がぐるぐるとまわり、あるいは身体が石のごとく硬く固まって、不自然な様子で道を歩くことになるのです。
町を歩くことも電車に乗ることも一大事で、これらの精神的疲労は激しく、それは冠婚葬祭のような出来事を終えたあとの疲労感です。それが日常茶飯事であることを考えれば、だれもが生きることをやめたいと思いましょう。
問題は、視線恐怖です。視線恐怖の原因は何であるのか、また、どうすれば視線恐怖を克服できるのかを解説します。
視線恐怖の原因
視線恐怖の原因は、自分に自信がないことにあるというよりも、自分は何者であるか「自分の存在」を見失っていることにあります。というのは、そもそも人間を考えると、人間は退屈に耐えることはできず、絶えず何かに関心を向けています。何かに集中しているときには人の目を気にすることはないでしょう。電車のなかではスマホを触っていれば人の目を気にすることはありません。けれども街では集中する対象がどこにも見あたらず、その関心は自分に反ることになります。そして自分は一人ぼっちであることを実感し、落ち着かず、怯えて、うろたえるようになるのです。それは親から逸れた迷子の子どもの孤立感に似ています。
視線恐怖の克服法
視線恐怖を解決するてっとり早い方法に「ガムを噛むこと」があります。顎を動かすと集中の対象を飲食・咀嚼に向けることになり、自分の存在(生きているということ)を絶えず確かめることができるからです。
もしあなたが視線恐怖の根本的解決を望むのであれば「思考の習慣」をつけることです。自分の関心を頭の中、上の空に向けるなら、今この現実的な現在に関わらず人の目を気にすることはなくなるからです。それと音楽に耽るのもいいかもしれません。まとめると、視線恐怖を克服する方法は、自分の存在を感じること・考えることにあるといえます。
令和三年 八月
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