わたしたちが生きる社会では、騒音が日増しに問題となっています。
2011年に世界保健機関(WHO)は、騒音が原因で、西ヨーロッパの国だけで160万人の健康寿命が失われると推定しました。
騒音は健康にいくらか悪影響をおよぼします。
本記事では、騒音が健康に与える影響について音の専門家の意見をいくつか紹介いたします。
騒音が健康に与える4つの影響【TED】
音の専門家である Julian Treasure は、音が人に与える代表的な影響について、以下の4つをあげています。
1. 生理的に与える影響
音は人間のホルモン(アドレナリンやコルチゾール)の分泌を促進(あるいは抑制)して、呼吸や心拍数や脳波になんらかの影響を与えます。
疫学の研究によれば、騒音は「心臓発作」や「脳卒中」のリスクの増加と関連性があると考えられています。
また別の音の専門家である Mathias Basner はこう言います。
アメリカの社会では、騒音を5デシベル減少させることで、騒音に関わる治療費など毎年39億ドルを節約できることを最近の研究から見出しました。
ただ、騒音が原因であると結論づける十分な証拠はまだありません。
Why noise is bad for your health — and what you can do about it – TED
「騒音は健康に悪影響を与える」といえる、十分な証拠はまだないと同氏は付言します。
2. 心理的に与える影響
ここらで一休み。鳥の鳴き声に耳を傾けてみましょう。
オオルリのさえずり
この鳥の声(音)はわたしたちに安心感をもたらします。
耳にするとすぐに自然の情景が浮かび上がり、ある人には優しい印象を、ある人には穏やかな印象をもたらします。
背筋に寒気が走る音
この鳥の声とは対蹠的に、わたしたちに安心感ではなく恐怖感をもたらす音があります。
本記事で紹介することを試みたところ、読者の肝っ玉の小ささをかんがみて、わたしには到底紹介はできませんでしたよ。
3. 認知機能に与える影響
わたしたちは複数人の話を同時に理解することは(能力に優れている人を除いては)できません。
わたしたちの音の処理能力は限られています。
それゆえ騒音の環境下で働くと、認知機能がうまいこと働かず、ある専門家によれば生産性は66%低下するとされています。
4. 行動に与える影響(日常的生活)
スーパーマーケットが慌ただしい原因は、店内に流れるオバサンが原因、ではなく、店内に流れるアップテンポの曲が原因です。
アップテンポの曲を耳にすると、わたしたちは曲のリズムに翻弄されて、おびただしい数の決断が求められる買い物でも、流れるままに数多くの物を買います。
それゆえスーパーマーケットの回転率は高まり、売上は伸びて、より好感のもてるサービスをお客さんに提供でき、オバサンらは喜んでスーパーマーケットに流れこんで来るのです。
騒音による損失
いく人かの専門家は、騒音は「心臓発作」や「脳卒中」のリスクの増加と関連があると指摘しています。
さわがしい地域の学校に通う子どもたちは学業成績において “遅れる” 傾向があるとも指摘しています。
今日では都市に人工が集中し、交通量は増大し、夜でもつねに昼のような騒がしさが街から発せられます。
それゆえ私たちの睡眠は阻害され、不足され、次に私たちは不機嫌になり、馬鹿になり、人生をみる目が曇り曇って、人生がつまらなく映る。それが騒音による最上の損失である。
睡眠に適した音について(dB:デジベル)
ところで騒音とはどの程度の音の大きさを表すのでしょうか?
音の大小の程度を表す単位にdB(デシベル)があり、以下の表にしたがえば、騒音は(周囲の環境にもよりますが)60dBより上を表します。
● 90dB:カラオケにいるくらいの騒がしさ
● 60dB:周囲は騒がしいが話はできる
● 40dB:図書館と同じくらいの静けさ
● 20dB:深夜の静けさ
ちなみに睡眠をとる環境としては40dB以下が推奨されています。
わたしは閑静な土地で睡眠をとると、翌朝の目覚めはしごく晴れやかで快適な朝を迎えられます。まち望まれた春が訪れたような清らかな朝。
ですから、なるべく静かな環境で睡眠をとることをこころがけましょう!
頭の働きもずいぶん変わると思います。
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