「都市計画に子どもたちのアイデアを含めないことは大きな問題です」
という今までにない画期的な主張をするのは都市計画者のMara Mintzerです。
社会の人口の1/4の割合を占める子どもの意見が含まれずに、大人の意見だけが反映されて、都市計画は進められます。しかしもし、子どものアイデアを都市計画に含めたらどうなるのか。幼少期という人生においてもっとも創造力が盛んな時期の子どもたちは都市をどのようにデザインするのか?
どのように子どもは都市計画をデザインするか?
講演者 | Mara Mintzer |
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TED 種類 | TEDxMileHigh |
主題 | 都市計画 |
時間 | 14:24 |
公開日 | 2017年11月 |
何にも制約されない状態で浮かんだアイデアは最高に創造的である
都市を計画するにあたり、大人はプロジェクトにかかる費用、時間、危険性、等々、さまざまな要素を考慮して都市計画を進めます。しかしこれでは制約が多すぎて、大人は自由なアイデアが思い浮かびません。
これに対して、子どもはプロジェクトにかかる費用、時間、危険性などをまるで考えず、規則に制限されないため、自由なアイデアが思い浮かびやすい。
真に自由な、創造的なアイデアというのは何にも制約されない状態において、はじめて生まれます。
子どもにとって優しい都市はだれにとっても優しい
子どもの思い浮かぶアイデアは自由奔放であり「わがまま」です。
「わがまま」は不満がたまった状態が顕現することであり、子どもの「わがまま」とは、まだ教育の施されていない素朴な人間性が示された、大人のだれもが抱いている不満でもあります。
本動画で紹介されている子どもの「わがまま」とは
- 車に乗ってお店へ運転することはできない
- カフェで高価な昼食を買う余裕がない
などです。
手ごろな値段の交通サービス、安価な食料品店の設置など、子どもの必要を考えた都市を計画すれば、ほかの多くの人々の必要をも満たすことができます。
スケートボードで遊ぶために舗装された道路を設けるといった10代のアイデアも、ベビーカーや車いすの使用者にとって滑走しやすい道路となります。
エンドユーザーの意見を含めるべき
設計プロセスにはエンドユーザー(利用者)を含めるべきでしょう?主に子どもたちによって使われるための公園を建設しているのならば、子どもたちは公園のデザインについて発言をするべきです。
Shouldn’t we include end users in the design process? If we’re building a park to be largely used by kids, then kids should have a say in the park’s design.
私たちは子どもを「将来の市民」として考えるのではなく「今日の市民」として考えて、かれらのアイデアに耳を傾ける必要がありそうです。もちろん、子どものアイデアが不合理で荒唐無稽だと思われるものもあるでしょう。が、まずは制約のない自由な状態でアイデアを思い浮かべることが大切であり、それから無理なアイデアは剥っていけばよいのではないでしょうか。
もっとも制約のない自由な状態に生きる子どもは、私たちにとって最高の都市を計画してくれるかもしれません。このTEDトークは傾聴に値します。
How kids can help design cities
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