インターネットは誰のものか。
インターネットは国境を超えて世界各地にいる人々と情報通信ができる画期的な発明です。
しかし、国境を超えたものを国(政府)で扱うことはむずかしい。
本来は誰のものでもないインターネットが企業により統制・規制されている。
そして今、企業は “インターネットのあり方” を見失いつつある。
【TED動画】インターネット上で権力を主張するために私たちができること What everyday citizens can do to claim power on the internet
プレゼンター紹介 | Fadi Chehadé(画面右):非営利組織ICANN元CEO Bryn Freedman(画面左):TEDキュレーター |
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配信日 | 2018年12月 |
ジャンル | インターネット、国際関係 |
動画の時間 | 08:35 |
ポイント | ・インターネット上の主導権争い ・インターネット上の権力に付随する責任 ・誰もがデジタル世界の責任者になること |
<要約(1)>
インターネットをひとつのネットワークにするシステムーーDNSやIPアドレスなどーーの環境は整っている。
しかし、インターネット上でのプライバシーやセキュリティなど私たちに日々影響を与える問題は、現在、規範がなくシステムの環境は整っていない。
インターネットが持続可能な発展を遂げるためには、プライバシーやセキュリティ問題についての規範を作りシステムの環境を整える必要がある。
また、企業がプラットフォームを持つことと同時に情報の所在(プライバシーなど)は注視される必要がある。
たとえば、Amazon等によるレコメンドエンジンはユーザーの情報(プライバシー)が十分に蓄えられていることを表す。
プラットフォームを持とうとする企業は、その先にあるーーSNS上の発言が発端となる対立などーーを考えなければらなない。
小規模のビジネスがイノベーションにより大企業を凌ぐ力を手に入れられる今(Skipのライセンス取得)、プライバシーやセキュリティの重要性は大・小問わず、全企業に割り振られる。
私たちはインターネット上での権力のあり方を考え、誰もがデジタル世界の責任者となる必要がある。
キーワード
●ドメイン・・・https://「life-kakumei.com」「」の部分。
IPアドレスを私たちが見やすくしたもの。
●IPアドレス・・・インターネットに接続している機器の住所のようなもの。インターネットに接続されているすべてのコンピュータは、固有のIPアドレスを持つ。
●DNS(ドメインネームシステム)・・・ドメイン名とIPアドレスの対応づけを管理するシステム。
ICANNがぜんぶのIPアドレスを管理しており、階層となっている。
「ICANN」 → 「APNIC(アジアのAPアドレスを管理)」 → 「JPNIC(日本のIPアドレスを管理)」 → 「指定事業者(IPアドレス管理指定業者)」 → 「ユーザー」
●レコメンドエンジン・・・ユーザーの行動や購買履歴をもとに、より購入してくれそうな商品をレコメンドする機能。「こんな商品もオススメです」といった機能。
インターネットの主導権争い
<要約(2)>
20世紀の後半には、インターネットの主導権争いの帰結は政府ではなく、企業が勝利をおさめることとなった。これはインターネットが国内で留まるナショナルなものではなく、トランスナショナルなものであり、政府が管理する範囲を超えているからである。インターネット上の権利を企業が持つことになり、様々なインターネット上の規制を企業単体で作ることが可能となった。
企業はプラットフォームを作る。そして、そこに参加する個人や政府は多大な恩恵を受けると同時に、被害を被ることとなった。被害とは「プライバシー」や「表現」に関わることである。
プラットフォーム上の表現が、あるところでは民族、あるところでは宗教に対する挑発的な発言・言葉ととられられる場合がある。
また、プライバシーに関わるところでは、政府が持つ情報以上に、企業が個人情報を持つこととなる。情報の所在および独占的なビジネススタイルは注視されなければならない。
インターネットに関わるステークホルダー(利害関係者「個人」「政府」「企業」)はインターネットのあり方ーーどのように統治されるべきかーーに関して議論する “場” を設け、プライバシーや表現に関する一元的フォーラムを完成させる必要がある。
インターネットのあり方は、個人、政府、そして企業がそれぞれを互いに監視するシステムを構築するスチュワード(給士)になる必要がある、とFadi Chehadé 氏は主張する。
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