世界観はこの世界を見るための望遠鏡のようなものです。
考え方や主義によって望遠鏡にあるレンズが作られ、その望遠鏡をのぞくと独自の世界観が広がっています。
たとえば、“体に良い食べ物” について、ある人は観念的に “体に良い” と考えます。
またある人は機能的に “体に良い食べ物” を食べ物の成分が〇〇を促したとして “体に良い” と考えます。
立場が変わればものの味方も変わる。
世界観(視野)は個々の考え方・主義によって変わります。
その世界観(視野)を狭くしてしまう3つのバイアスをTED動画から紹介しています。
世界観(視野)を広めるために私たちはバイアスを取り除く必要がある
世界観(視野)を狭くする3つのバイアスとは?
TEDに登壇した気象学者のマーシャル氏は、私たちの世界観を狭くする3つのバイアスがあると言います。
それが以下の3つです。
- 確証バイアス
- ダニング=クルーガー効果
- 認知的不協和
1. 確証バイアス
確証バイアスとは、自分が正しいと思うことを裏付けるための証拠を集めること。
あることは正しいという前提のもとで合理的な思考を働かせます。
2. ダニング・クルーガー効果
ダニング=クルーガー効果とは、能力の高い人は自らを過小評価して、能力の低い人は自らを過大評価すること。
私たちは知っていること以上のことを知っていると考え、私たちが知らないことについてはそれを過小評価します。
3. 認知的不協和
認知的不協和とは、自分の中で矛盾することを同時に抱えた状態に覚える不快感のこと。
その不快感(認知的不協和)を解消するために、人は自分の態度や行動を変えます。
この代表的な話として『イソップの寓話』があります。
高い木にぶどうが実っているけど取れないときに
「あれは酸っぱいぶどうだったから取れなくて良かったんだ」
と合理的な解釈のもと自分の態度と行動を正当化します。
以上の3つが私たちの世界観(視野)を狭くするとマーシャル氏は主張しています。
さて以下の章では、この記事で紹介させていただいたマーシャル氏の動画の要約しています。
【TED動画】あなたの世界観を狭くする3種類のバイアス
プレゼンター紹介 | J. Marshall Shepherd:気象学者 |
---|---|
配信日 | 2018年12月 |
ジャンル | 科学(リテラシー) |
動画の時間 | 12:22 |
ポイント | ・バイアスを取り除くこと ・情報源に惑わされてはならない ・より透明な世界を知ること |
「あなたの世界観を狭くする3種類のバイアス」の要約
<要約>
科学的な認識(世界観)を広げるためにはバイアスを取り除く必要がある。
気象学者である Shepherd 氏はこのプレゼンテーションで3つのバイアスについて紹介し、それらのバイアスが科学的な認識を妨げることを主張している。
3つのバイアスとは「確証バイアス」「ダニング=クルーガー効果」「認知的不協和」である。
「確証バイアス」では、自分の意見に肯定的なことだけを集めるため、認識が一方的となる。
「ダニング=クルーガー効果」では、論文の査読をするときに、自分の知らないことを過小評価する、知っていること以上のことを知っていると考えるため、認識が広がりにくくなる。
「認知的不協和」では、なにか矛盾が起きたときに事実を否定してでも解消しようとする。自らの認識により理由づけをすることで科学的認識(世界観)に変革(パラダイムシフト)が起きない。
私たちはこの3つのバイアスを取り除く必要がある。
科学に関する情報はどこからきたのか、自分が教育された方法、政治的な見方、宗教、自分自身がどんなバイアスにかかっているのかを知る必要があり、バイアスを取り除き、科学的な認識(世界観・視野)を広げる必要がある。
これは、より良い科学のためではなく、より良い私たちの人生のために。
世界観について
世界観について、ひとつあげたい例に映画『ハリーポッターと謎のプリンス』にあります。
宿敵ボルデモートを倒すために、魔法使いの主人公ハリーポッターとハリーが通う学校の校長先生であるダンブルドアにある試練(闇の罠)が訪れました。
その試練とは2人のうちのどちらかの血を犠牲にすることです。(100mlくらい)
試練を前にして校長であるダンブルドアがこのような発言をします。
「私の血より君(ハリー)の血の方が貴重だ」と。
これはダンブルドア校長に「優生学的」な考え方があることがうかがえるといえます。*
これもひとつの世界観であり、ひとつの発言から世界観が読み取れてしまうので、なるほど創作者は気を揉むわけです。
3 kinds bias that shape your worldview
*極端な例です
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