働くことを「楽しめる会社」と「楽しめない会社」。その差はいったいどこから来るのか?両者の差について語るのは、世界最大級の映像ストリーミング配信事業のNetFlixの最高人事責任者であるPatty McCordです。
McCordは14年間Netflixにおいて「最高人事責任者」を務めた経歴があります。
『NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』の著者としてその名が世間に広く知られている彼女が「働くことを楽しめる会社をつくる8つの方法」を紹介しています。
働くことを楽しめる会社をつくる8つの方法とは?
スピーカー | Patty Mccord |
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TED種類 | TEDxThe way we work |
トピック | ビジネス、職場改善 |
時間 | 05:11 |
公開日 | 2019年2月 |
1. 従業員を “大人” と考えること
当然のこと従業員は子どもではなく、責任を有した、家賃を支払う、社会の構成員の一員である大人です。
大人は世界にちがいを生み出したいと感じています。価値を創造したいと感じています。
会社は子どもがしたがう「ガイドライン(手順書)」をつくるのではなく、のびやかなに仕事を任せられるように従業員を大人として考えて、従業員にガイドラインからの逸脱を容認することが大切です。つまり会社は従業員に最大の裁量権を与えることが大切ということでしょう。
2. 管理職の役割はチームを構築すること
仕事の基準は「顧客に満足してもらうこと」です。
したがって従業員の「仕事の時間配分」や「仕事の進捗具合」を管理する必要はとくにないとのこと。のびやかに仕事を任せられなければ、従業員は息苦しく感じ、仕事を楽しむどころではないでしょう。
3. 従業員は仕事に “学び” を求める
変化のない単調な仕事を何十年間も続けたいとはだれも思いません。従業員が目標を達成したのならば、彼らを自由にさせることが大切です。おそらく「自由に」とは、会社の方針に則った上で従業員に最大の裁量権を与えることでしょう。
これにより会社から課せられた目標のみならず、従業員みずからが目標を設定し、心理的な圧力を最小にした上で働くことができます。上意下達のように課される目標のみでは、学びも限られるでしょう。
4. 従業員が全体像を理解していること
従業員の心理的負担を軽減することで重要なことは、従業員が「会社の経営収支をすみずみまで知悉していること」。つまり会社の全体像を理解していることです。
会社の全体像を理解することによって、私の行為が会社の経営収支とどれほど関連しているかが把握可能となり、労働のモチベーションを得ることができます。
5. 真実を伝えること
会社の意思決定において、その決定について従業員は真実を伝える必要があります。従業員が意見を発せずに沈黙して、モチベーションの上がらない企画が採用された場合、その企画に身を尽くせる従業員はいないでしょう。つまり熱意のない企画は埋没することは明明白白であり、企画に費やした時間を無駄にするだけなのです。
NetflixのCEOである Reed Hastingsは「真実を伝えること」について次のように語ります。
社員には真実を述べてもらいたいですね。
私たちは「反対意見を黙っていることは自らの信頼を損なう行為だ」と言っています。
ただ黙って記録だけを残して決裁事項を通過させることは奨励していません。
私たちは常に議論を通して良い意思決定を下すということを大変重んじており、常にそうしています。
そしてお互いに怒鳴り合ったりしないような雰囲気作りに気を配っています。
好奇心こそが人々から反応を促すものです。
6. みずからの価値観を守ること
経営陣の一員にもっとも求められることは「みずからの価値観を守りそれを実践すること」です。みずからの価値観とは、意思決定において、それが大前提に置かれること。ときに会社の価値観とは折り合わない場合は、みずからの価値観を辞するのではなく、むしろそれを貫くことが大切です。
それは多様性に富んだ、まさにNetflixのような企業文化をつくるのにも役に立つのでしょう。
7. 愚かなアイデアを受け入れること
アイデアが合理的であれば、すでに誰かがそのアイデアを採用し、ビジネスをはじめている。しかし合理的ではない「愚かなアイデア」を試そうとする人は少ないです。
人がやらないことには “やりがい” を感じます。魅力的です。だから会社は従業員の愚かなアイデアを積極的に採用し、それに挑戦することが大切なのです。
8. 変化を喜んで受け入れること
変化のない単調な仕事は、退屈です。
だから会社は変化を喜んで受け入れて、それを従業員に企業文化として定着してもらうことを企図するのです。そのようにして企業文化は多様性に富んで、従業員は日々新鮮な風を感じ、働くことに退屈せずに、むしろ働くことを楽しむことができるようになるのでしょう。
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