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アイデア

祖述とは何か?祖述という文学(芸術)の条件について

子曰く、学びて思わざれば、則ち罔くらし。思いて学ばざれば、則ち殆あやうし。 『論語』為政 そもそも「とは何か?」という問いは発見と創作という二つのプロセスに分けることができる。祖述とは「先人の言を踏まえ発言するこ...

森鴎外『安井夫人』の要約と解説

『安井夫人』は、江戸時代の儒学者で近代漢学の礎を築いた安井息軒(そっけん)(字は仲平、1799〜1876年)の生涯を描いた森鴎外による伝記小説である。大正三年に発表された。仲平の生涯を主調に、仲平に仕える夫人佐代の心境をアクセントと...

森鴎外『最後の一句』の要約と解説

森鴎外の短編小説『最後の一句』は大正四年に発表された。「殉職(マルチリウム)」という観念が未開である元文頃の徳川時代、みずからを犠牲に他人を救うという行為は、人々にどのように捉えられるのか。斬罪を宣告された父を救うため、自己犠牲を厭...

森鴎外『魚玄機』の要約と解説

『魚玄機(ぎょげんき)』は森鴎外の短編小説であり、唐代末期に生きる女詩人魚玄機(844〜871年)の生涯を描いている。 玄機は倡家に生まれるが、その家風には染まらずに、倡道ではなく詩人の道を歩む。容貌は美しく、詩才は卓抜してお...

森鴎外『かのように』の要約と解説

森鴎外の短編小説『かのように』は、明治天皇の崩御の年、明治四十五年に発表された。国史を生涯の事業として選んだ青年秀麿は、当時代の日本にとっての「歴史と神話」という分かち難い関係に頭を抱えている。洋行を経て、書を読み耽り、しかし事業に...

森鴎外『護持院原の敵討』の要約と解説

『護持院原(ごじいんがはら)の敵討』は森鴎外の短編小説であり大正二年に発表された。護持院原は江戸時代までに実在した建物であり、享保二年に焼失している。本作の主題は敵討であり、敵討という江戸時代には当然に思われる義務に対する姿勢が、敵...

ベンジャミン・コンスタン|『アドルフ』の要約と感想

1816年にフランスで初版発行された『アドルフ』(原題: 'Adolphe: Anecdote trouvée dans les papiers d'un inconnu')は政治哲学者であり小説家であるベンジャミン・コンスタン(1...

ジョン・スタインベック|『はつかねずみと人間たち』の要約と感想

1937年にアメリカで出版された『はつかねずみと人間たち』(原題:Of Mice and Men)はジョン・スタインベック(1902-1968)による悲劇的短編小説である。失業者であふれる世界恐慌を背景にカリフォルニア州サリーナス地...

トーマス・マン|『だまされた女』の要約と感想

『だまされた女』(原題:Die Betrogene, 1953年発表)はトーマス・マンが77歳のときに執筆をはじめ翌年に完成させた短編小説である。〈芸術家的性格〉と〈市民的性格〉との対立構造が娘のアンナと母のロザーリエに描かかれる。...

コレット|『シェリの最後』の要約と感想

『シェリ』の続編である本作『シェリの最後』(原題:La Fin deChéri, 発表:1926年)は、『シェリ』の執筆時(1920年)には予定されていなかった。 岩波文庫の解説によれば、著者のコレット自身の実体験が反映されて...
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