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どうでもいい話の効用|実はどうでもよくないどうでもいい話

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実はどうでもよくないどうでもいい話

 

「そんなことがあったのか!」と、ついつい話の最中に織り込まれる話者のどうでもいい話に興味を示します。肝心な話よりもどうでもいい話を覚えていることもあります。肝心の話に織り込まれるどうでもいい話というのは、まじめな人であるほど耳障りなことです。しばしそれを無駄や感傷といって話者を貶します。しかし、実のところどうでもいい話というのは無駄でも感傷でもなく、むしろ有用なことで、伝えることの印象を強化するそして肝心の話をあとから思い出す端緒きっかけとなるようなことなのです。

 

どうでもいい話で思い出す肝心の話

 

最近、『生物多様性とは何か?』という本を読み、この記事のタイトル「どうでもいい話の効用」の着想を得ました。その本文の一節の〈ニューカレドニアと日本人〉を読みますと、この本の筆者に鉱山関係者が語ったこととして、こう書いてあります。《観光業なんて貧乏人の産業さ。その辺を掘れば簡単に高品位のニッケルが出て、収入が得られるのに。観光は資源に恵まれない隣国のフィジーあたりに任せておけばいいんだ》と。

その後、ニューカレドニアってどこだっけかと思い出そうとしているところ、関係者の話の「隣国のフィジー」という情報を思い出し、ニューカレドニアの地理を特定することができました。のみならず、このどうでもいいような話を端緒きっかけに続々とニューカレドニアについての情報をーーニューカレドニアは世界最大のニッケル鉱床に支えられている、日本はニッケルの消費量世界第二位などをーーいもづる式に思い出すことができました。つまりどうでもい話を端緒に、ほかのさまざまな情報を得ることができたのです。

 

どうでもいい話で肝心の話を鮮明化する

 

この記事における肝心の話とは「どうでもいい話の効用」です。しかしそれとは関係しない話を敢えて導入する、つまり話を脱線することで対を生み出し、本線の存在をありありと鮮明化し、その印象を相対して強化することができます。もし、どうでもいい話を全くしなければ、話の最中常時アンテナを張り続けることを聴者に強いるため、それは味も強弱もない印象に残らない話になるでしょう。

 

どうでもいいい話をビジネスで応用する

 

どうでもいい話をビジネスで応用すると、会議の開始時刻を着席直後とするのではなく、五分十分遅らせ雑談から緩やかに本線に入るようにすることが良いといえます。雑談により緊張と頭とはほぐれ、雑談との対比により会議における肝心の話を鮮明化して濃く印象づけることができます。これは日本人の白黒はっきりつけない美意識とも良い相性で、創造的生産性というのも向上すると思われます。

 

令和三年 三月

 

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