安倍元首相のご冥福をお祈りします。
昨日八日、安倍元首相の訃報が報じられたーー奈良県で選挙の街頭演説中、背後から手製の銃を持った男に発砲されて亡くなられた。
非常に残念であり、悲しく思う。
この戦後日本の民主主義体制において、それも選挙運動の最中に、一般者が銃を携帯し発砲したという事件に信じられず、唖然とした。
なんというふざけた愚行だろうか。考えることを放棄し卑劣な蛮行に及ぶことは、誠に遺憾であり、唾棄すべきであり、断固許すべきでない。
この事件の全容解明は国民が切に願うことにちがいない。こうした事件の、一個人が一国の首脳たる重鎮を殺める暴力には、軽はずみか、烈しい狂気か、尋常ではない意思力が要るように思う。この容疑者は元海軍自衛官で奈良県在住というが、しかし偶然(前日の夕べに定まったという)その奈良県で演説する元首相を、その者が一日で殺人を決意し、そして実際に決行するというのは、どこか疑問に思うし、容易に見過ごされてはならない問題に思う。
これを一容疑者のうちの問題とすれば、およそテロリストは手もとのスマホやパソコンを前にして、あふれる情報を、手前勝手に一方向に極端に偏ってみて、観念が狂って成熟し、その結果、このような極端な凶行に突走るのだろうから、問題は、みずから批判的な判断力をもてず、毅然とした道徳的理念を失い、軽挙妄動をもたらすことになった、未熟な民主主義(それが共和制と違う本来の民主制なのだろう)すなわち現代日本の政治体制にあるか、それか国民の実質希薄なつながりにあると思う。
政治の問題にふれずとも、戦に赴かざるをえなかった先人が願ってやまなかった社会が話の通じる社会だろう。それを話にもならない原始的な社会にもどす必要がどこにあろう。また何故に日本という国の品位を貶めるのか。非常に腹立たしく許すことのできない事件である。一刻も早く、この事件の全容解明を願う。
亡くなった安倍元首相に、私たち一般人が少なくともできる弔いは、日本という国のあり方、その国制の民主主義、言論の自由について考えること、そしてこの恥ずべき野蛮な凶行に屈せず、確固たる姿勢で、言語をもって真摯に対応することだと思う。
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