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限りない拡大・発展を続けている資本主義が地球上の資源の有限性と環境制約という問題に突き当たっています。
地球上の資源を経済成長に転換してきた資本主義がその資源の有限性と環境制約のために次第に定常化(一定化)していくことが定常型資本主義です。
この「定常型資本主義」が資本主義の次の段階であるといわれています。
資本主義
物質的な豊かさがない時代は、地球上の資源を生活の利便性を向上させるモノ(車、冷蔵庫、携帯電話等)に転換して、資本主義は経済成長を遂げてきました。
物質的な豊かさが満たされている現在でも、同じような手法(地球上の資源を生活の利便性を向上させるモノに転換すること)で、資本主義は経済成長を遂げています。
資本主義の限界
後者の資本主義には2つの点で限界がありました。
第一に、地球上の資源の有限性や環境制約を考慮すれば、資本主義の限りない拡大・発展には限界があること。
第二に、物質的な豊かさが顕著にあらわれている現代では、私たちの物質的側面の欲望も満たされており、モノを生産しても売れずに供給過多の状態に陥ること。
限界に達した資本主義は次第に定常化していき、モノの生産は重要性を失い、モノの共有(循環的な営み)が重要性を帯びはじめます。
こうした資本主義社会(定常型資本主義)が到来することにより、生活に必要なものだけが浮き彫りとなり、モノを共有する形で経済は成長します。
定常型資本主義の問題点
しかし、定常型資本主義には問題点があります。
それは「持続可能な開発」と「成長可能な経済」が互いに成り立つことができるのか、という点です。
つまり、定常型資本主義では経済成長がモノや場所の共有あるいはサービスが一般的になるため、モノの生産は次第に重要性を失います。
これまでの経済成長の重点は生産が大枠を占めているため、モノの生産が減少すれば経済は成長に伸び悩みます。
モノの共有が経済成長の重点となれば、開発(生産)は次第に重要性を失い、「持続可能な開発」と「成長可能な経済」は互いに成り立つことができません。
まとめ
地球上の資源の有限性と環境制約を考慮すれば「持続可能な開発」と「成長可能な経済」を両立させる必要があり、共有を主体とした社会を構築する必要があります。
定常型資本主義は私たちの生活はもちろんのこと、ビジネスモデルを大きく変える社会といえます。
参考文献:『ポスト資本主義』
おまけ 資本主義とは?
世の中にはたくさんの主義があります。
こうした主義について、ジャーナリストの池上彰さんはこのように分類しています。
政治体制:民主主義、独裁制
経済体制:資本主義、社会主義、共産主義
日本の政治体制は民主主義です。経済体制は資本主義を採用しています。
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